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7月20日 関西大学第一高等学校『はくあい。』観劇レポ

 まず、登場人物の名前や役柄に意味や関連があって面白いと思いました。最初の影絵がどうなっているのかすごく気になりました。キャストをあえて出さないという声だけの表現の仕方がすごく良かったです。声だけなのに母の優しさが溢れ、母と娘の仲のよさや親子の愛がとても感じられ、こういうのもありだな、と思いました。

 杏樹と聖の掛け合いのテンポが良く、とても面白かったです。聖の動きもコミカルで楽しさがあるところと、後半での弱音を吐く所とのギャップが良かったです。兄妹の仲の良さを会話から感じることができました。
 翼の表情の動きが見ていて自然に馴染んでいて良かったと思います。声も綺麗で、天使のやさしさがあふれているようでした。
 ゆりと真奈の掛け合いも凄く、表情と動きが上手でした。特に真奈が責め立てるシーンは迫真で鳥肌ものでした!ゆりの苦悩の表情も良かったです。
 おばと部長の話し方からどんな性格かがよく分かりました。おばの台詞の言い方がすごくリアルだったし、部長が聖を責めるシーンは高校生に見えなかったくらい貫禄がありました!かっこよかったです!

 所々に使われる音楽や効果音と照明が印象的で、場面にとても合っていました。その場のシーンと音楽の選曲がよりシーンを引き立てていて、特に杏樹の気持ちが変わる度に音が変わって良かったです。(でも、ちょっと音量が大きすぎて、台詞が聞こえにくい事がありました(^-^;)
 照明では、現実世界に地明かりとブルーをもうひとつの世界では地明かりとピンクを入れることによって別世界感を出せていました。場面が変わる度にチカチカしたので、少し頭が痛くなったところはありましたが、とても綺麗でした。空間の表現の仕方も、狭い空間の中で異なる色々な場所を上手に表現できていました。

 杏樹と聖の表情がすごく気持ちと合っていて良かったです。杏樹の、魂になって色んな場所に行くシーンの表情の変わり方、初めてその事実を知ったときの驚き方が上手でした。特に杏樹が聖に対する気持ちを吐露する場面はジーンときて、気持ちの変化がよく伝わってきました。天使がネックレスを握り締めて「杏樹」と呼ぶところや花道を使って天使が行ってしまうところがとても切なかったです。杏樹が聖に翼先生はどこ?とと聞くところと、最後、羽が舞い杏樹がネックレスを握るラストから暗転せずにカーテンコールをして、花道から来た天使と杏樹が抱きしめ合うところは泣きそうになりました。

 

最後に、関西大学第一高校の皆さん、素敵な劇をありがとうございました。

堺西高校演劇部一同