HPF2015

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関西創価高校 『眠る葉子』

 関西創価高校さんの『眠る葉子』を観劇させて頂きました、大阪産業大学附属高校二年の榎原美鶴です。

 

 病院を舞台にしているということで、一見重いテイストの作品と思いましたが、途中途中ではさまれるコメディ要素によって、やわらかい雰囲気に包まれ、重すぎない演出が心地よかったです。とはいえ、シリアスシーンの時はしっかりと締まっており、大事な部分が流されることなく伝わってきました。

 いろいろな病気を抱えた患者たちの人間描写には、感情移入しやすく、好感を持てました。人間関係の描かれ方にも工夫がされており、最初は、葉子の友人である多美恵、チカが葉子と以前からとても仲良くしていていたのかと思いきや一転、後半部分で人間としての影の部分が出ていて、複雑な物語の展開に目が離せませんでした。

 カーテンコールで、舞台装置の一つである自動販売機の役者さんが、音響・小道具・舞台装置を兼ねていることが分かったときには笑いました。舞台装置であることは分かっているのですが、アンケート用紙のよかったと思う役者欄に「自動販売機」の文字がなかったことが少し残念です。

 くすっと笑ってしまう場面もあり、それでいてシリアスな場面ではしっかり締まる。そんな、とても難しい台本をしっかりメリハリをつけ演じきった関西創価高校さんの技術には、詠嘆しました。

 勉強させてもらうことがたくさんあり、とても充実した一日となりました。

 関西創価高校のみなさん、ありがとうございました。